なーママふわ∞ポム日記

~関ジャニ∞を中心に、時折KinKi Kidsや嵐のことをふわふわと綴るブログ~

舞台『俺節』感想(後半ネタバレあり)

5月28日からTBS赤坂ACTシアターで公演中の安田章大さんの舞台『俺節』を観劇しました。

東京公演は残すところ1週間を切り、既に観劇した方も多いと思いますが、まだご覧になっていない方は、後半はまたの機会にお読みいただけると嬉しいです。

前半

概要

www.orebushi.com

どうぞこちらの公式ホームページをご一読ください。

これから観劇される方へ

この舞台は、1991~1993年に土田世紀さんが描いた原作漫画が基になっています。

私の前回の記事で書いた舞台『上を下へのジレッタ』とは違い、『俺節』の舞台は原作通りではありません。

ですが、私は『上を下へのジレッタ』同様、できれば原作を予め読んで観劇されることをおススメします。特に、ネタバレに繋がるので理由は伏せますが、公演中に悲鳴を上げそうな方は、予め原作を読むことを強くオススメします。

 

いやいや、原作を読む時間がない!

そんな方は、観劇前にぜひこちらの赤坂サカス|「俺節」原画展に立ち寄ってください。

この原画展、無料というのが勿体無い!土田世紀さんの魂を感じることができる素晴らしい原画展です。本当は2時間ほどじっくりご覧いただきたいですが、時間のない方は30分でもいいので、少し早めに赤坂サカスへ行ってこちらを訪れてください。俺節の世界を味わうことができますし、あらすじを知ることもできます。忘れずに行ってみて下さいね。

 

私は俺節を観劇する機会が2回あり、間が開いているので、復習を兼ねて読み返しました。舞台には登場しない人物や、福士誠治さん演じるオキナワの過去を知ることで主人公の海鹿耕治(コージ)との関係を考えられたりと、とても興味深く読めました。観劇済の方も原作を楽しめると思います。

私は『即泣きトライアル』の安田さんを勘違いしていた

フジテレビで毎週土曜午後1時30分から放送されている関ジャニ∞クロニクルで『即泣きトライアル』というコーナーがあります。

このコーナーは、79秒の制限時間内に、関ジャニ∞から選ばれた数名とゲストが到底泣けない台詞を入れながら泣きの芝居をする企画です。過去3回放送され、そのうち2回安田さんは成功し、2回目は6秒という超人的な記録を叩き出しています。

3回目は残念ながら失敗に終わった安田さんですが、私はこの安田さんが失敗した真相を、俺節を観劇するまで勘違いしていたような気がします。

 

失敗に終わった第3回目の安田さんの台詞は「先生、こんな大きなカメラ…お尻から入れるんですか?」。

途中まで順調に目に涙を浮かべていた安田さんは、大きなカメラが入った演技の瞬間に顔が変わり、結局涙を流すことができませんでした。失敗に終わった直後、安田さんは「設定を間違えた」と言い、とてもお尻に入れられないようなサイズのカメラを想像してしまったと弁明していました。

私は視聴当時これを見て単に爆笑しただけでしたが、今から考えると、この失敗を振り返った安田さんの言葉は、安田さんの芝居スタイルを示していたのではないか、と思っています。

 

※ここからは、安田さん本人が言ったことでなく、芝居の専門家でもない素人の私の勝手な考えです※

 

役者さんが自分の演じる役を考えるときの方法はいろいろだと思いますが、自分は自分として置きつつ、頭の中で別の人物を想像(あるいは妄想)することも一つの方法なのかな、と思います。

一方安田さんは、自分自身がその役にすっぽりと入ってしまうように私には見えました。文才がないので上手く書けないのですが、「役になりきる」「憑依する」とは違い、安田さんの方から役へアプローチし入ってしまうイメージです。

ちょっとスピリチュアルな表現になってしまいますが、私には安田さんが、自分が演じる役が実在の人物かどうかに関わらず、役が持つ痛み、悲しみ、つらさ、冷酷非情、幸せ、高揚感etc.を実際に感じてしまうように見えるのです。

 

だから、3回目の即泣きトライアルでは、安田さんは泣けなかったのでなく、本当に痛みが勝ってしまったのではないかと、今は思います。

おそらく最低5キロは痩せた安田さん

私の一度目の観劇は5月下旬、第4公演にあたる回でした。

私は2階席のかなり後方でしたが、それでも肉眼ではっきりわかるほど安田さんは一回り小さくなっていました。

安田さんの演じる海鹿耕治は衣装がほぼ決まっていますが、ある場面で安田さんの生足が見えるシーンがあり、双眼鏡で凝視しました(周りの人から見れば変態)。もうね、足が細い。いや、安田さんってもともと細いじゃないですか。細いと知ってるのに「細い」と思ったということは、相当細くなっている。そして、足が細い=当然他の部分もかなり瘦せてしまってるわけです。

ワイドショーで「5キロくらい痩せた」と言っていたようですが、その言葉の前に「少なくとも」という言葉が抜けてるんじゃないかなと思えるほどでした。

 

もし安田さんが海鹿耕治という役の中にすっかり入ってしまっているとしたら、コージの置かれた理不尽な状況や心の痛みが安田さんの心身にも伝わってしまっているはず。舞台や稽古が過酷なだけでない、安田さんだけが感じる痛覚があるのでしょう。そりゃ痩せるだろうな、と想像します。

観劇を迷っている方へ

前回の記事でも無責任なことを書きましたが、今回も全く同じことを書きます。

観劇するかどうか迷っているなら、ぜひ当日券をトライしてみてください。

お知り合いの方からチケットを譲ってもらえそうな方は、ぜひ譲ってもらって観劇してください。

休憩時間含めて3時間半ですが、本当にあっという間です。

安田さんが全身全霊で臨んでいる海鹿耕治を、直接自分の目で見て感じてほしい。

一人でも多くの方がチケットを手にし、観劇できることを祈ります。

後半(ネタバレあり)

ここからは、舞台の内容に触れた感想を書きます。

ネタバレを含みますので、観劇していない方はご注意ください。

 

 

悲鳴を聞いた私は…

私は初日の時点で既に原作を読み終えていたので、コージとテレサの関係を表現するうえであのシーンは欠かせないと思いましたし、むしろ舞台でどのように表現するのかなぁと胸を弾ませていました。

しかし、東京公演初日に悲鳴が上がったとツイッターで流れてきて、私は少し嫌な予感がしました。そして、残念ながら私が観劇したときにも聞こえました。

 

思わず悲鳴を上げてしまった方の心理は、既婚者アラフォーで青色eighterとは言えない私でも少しは分かります。これまで安田さんはお芝居でキスシーンやラブシーンがなかったからなのでしょう。

ですが、私は悲鳴を上げてしまった方を擁護することはできません。

悲鳴を聞いた瞬間、それまで安田さんやカンパニーの皆さんが積み上げた『俺節』の世界や空気感が、私の中で一気に崩れてしまいました。

同じ舞台を観てこういう風に感じた観客がいることを、悲鳴を上げた方には知ってほしいです。 

 

私の穿った見方ですが、悲鳴を上げた方は「キス・ラブシーンを演じる安田章大」にショックを受けたのだと想像します。そうなのだろうと思いますが、あれは「安田章大が演じる海鹿耕治」であって、そのコージにとって大切な大切なシーンだったのに…と悲しくなりました。

私のあのシーンの解釈

問題のシーンは、原作と舞台ではストーリーが少し異なります。しかし「コージとテレサが初めて結ばれた夜」という意味においては同じです。

 

特に若い女性は知らない世界なのかもしれませんし、私も経験がないので、原作や私なりに調べた知識でしかないことをご了承下さい。

 

テレサはストリッパーです。ただし、ただ舞台上で脱いでいくストリッパーではない。舞台では競りによる買春*1が行われますが、原作では生板ショー*2のストリッパーです。

つまり、コージが愛した女性は、自分の裸体を公衆の面前に晒すだけでなく、毎夜どこかの男の性の捌け口とされているのです。そのうえコージは、これまでテレサを捌け口にした男を直接見ているし、原作では舞台上で生板ショーをやっているテレサをも見ています(但し初回だけ)。そしてテレサも、客席にいるコージを目撃してしまっている。互いに惹かれあう2人なのに、肉体的に結ばれることは許されず、コージはテレサが他の男に弄ばれるのをただ見ているしかなかったのです。

そんな2人が、周囲の応援もあって一緒に暮らし始め、初めて結ばれようとする夜が訪れたのに、コージの脳裏には舞台上で男に弄ばれるテレサが浮かんでしまい、男性が機能しません。そしてコージは、テレサに性病の有無を尋ねてしまいます。それを聞いたテレサは原作では「ワタシ…本番生板ダモンナ…」と目に涙を浮かべます。そこでコージは我に返り、テレサの過去も、故郷も、家族も、夢も、全部を抱くと宣言してテレサと初めて結ばれます。コージにとって、テレサの全てを背負う覚悟をしたシーン。すごくすごく強くてキレイなシーンです。

 

…私の悲しみが少しでも伝わったでしょうか。

私にはこのシーンが悲鳴になる理由が未だに納得できません。

原作と舞台では結末が正反対

これも私の解釈ですが、原作がハッピーエンドであるのに対し、舞台は悲恋で終わります。いえ、コージとテレサは互いに強く惹かれ合っているのですが、外的要因がそれを許さないのです。

ですから、最後に歌われる『俺節』も意味合いが異なるなぁと思いました。

 

原作の最後に歌われる『俺節』は、コージが演歌で生きていく決意表明のような歌。その中にはオキナワへの友情があるし、テレサへの想いも当然あります。一方、舞台の最後に歌われる『俺節』はテレサへ捧げる歌。テレサとの別れ、しかしテレサへの永遠の愛と、いつか迎えに行くという決意に満ちた歌。でもその「いつか」は果てしなく遠い。そこが儚くて掴めなくてせつないのです。

 

舞台の『俺節』の方がテレサへの想いが強い分、身を削るような魂の歌声に聴こえます。それを毎公演安田さんは演じているわけです。きっと演じている最中の安田さんは本当にコージになっていて、心の底からテレサを愛し、そして愛する女性に二度と会えないかもしれない悲しみに溢れていると私には見えました。赤坂ACTシアターの舞台上にはアイドル安田章大は存在しません。そこには海鹿耕治を演じる安田章大が存在しているだけです。

ですから、アイドル安田章大を見たい人には舞台『俺節』は不向きです。見られないし、他の役者さんにも失礼です。

最後に

前から思っていましたが、安田さんの魅力は画面や雑誌だけでは伝わりきらないような気がします。実際に目の当たりにした魅力が溢れてストレートに入ってくるのは、私の中では安田さんがダントツです。

私は舞台『俺節』を観劇し、私がそれまで気付かなかった安田さんの新たな一面を発見することができました。ありがたいことにもう1回『俺節』を観に行くことができるので、海鹿耕治演じる安田章大をこの目に焼き付けてきます。

 

安田さん、カンパニーの皆さん。

残りの公演をケガなく事故なく駆け抜けられるよう祈っています。

そして安田さん、これ以上痩せないでくださいね…それだけが本当に心配です。

*1:いわゆる個室サービスを暗に示していると思われる

*2:舞台上で客とストリッパーが本番行為を行うショー